訪問介護の集客方法とは?効果的に行うポイントを解説

訪問介護の需要は増加し続けているものの、積極的に介護人材の獲得、そして集客をしないと利用者の獲得が難しい傾向にあります。利用者が増加することは、自身の実現したい介護を世に広げる意味合いがあります。そのため、集客方法に悩んでいる介護事業者の方も多いのではないでしょうか。 今回は、訪問介護の需要を説明しながら、効果的な集客方法をご紹介します。あわせて利用者の獲得、拡大を目指すポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。


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訪問介護の需要は増加し続けている

日本では超高齢社会を迎え、訪問介護の需要はますます高まっています。とくに、在宅で常時介護が必要な重度訪問介護の利用者数、一人当たりの費用額、事業所数とも増加の一途をたどっており、今後も需要は大きいといえるでしょう。

厚生労働省の「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」によると、2025年度には約243万人、2040年度には約280万人の介護職員を確保する必要があると推計しています。出典:「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(厚生労働省)

訪問介護の集客における課題

訪問介護は、ほかの介護サービスと比べると少ない資金で開業しやすい事業です。そして、必要な介護人材が確保でき、ケアマネージャーと連携できる営業の仕組み化が行えていれば、営業によって利用者も獲得しやすいサービスといえます。

とはいえ、介護人材の確保ができなければ、集客をしても収益につなげることはできません。訪問介護にとって、人材確保はひとつの課題と言えるでしょう。利用者獲得のためにも介護人材の獲得施策も同時並行で実施するようにしましょう。

また訪問介護は、他の介護サービスと比べ施設やハード面の環境有しておらず、介護者と利用者が一対一の比較的短時間の訪問ケアサービスです。そのため、他の介護サービスと比べると特色が打ち出しにくいことから、利用者獲得の工夫が求められます。

訪問介護の集客方法といえば、従来はスタッフが介護事業所をまわり、ケアマネージャーにパンフレットと名刺を配るといった直接営業が主流でした。多くの協業業者と肩を並べている現状では、従来の方法での利用者確保は難しいでしょう。

多くの競合のなかから選んでもらうためには、ほかとの違いを明確にする差別化やブランディングが必要です。集客ノウハウを確立して、持続的な利用者確保を目指しましょう。

訪問介護の集客方法

それでは、訪問介護の集客方法をみていきましょう。

インターネットやSNSの普及により、集客方法は多様化しています。それぞれに特色が異なるため、ひとつだけの集客方法に偏るのではなく、いくつかを組み合わせて利用者獲得を目指しましょう。

ポスティング・チラシ広告

新聞の折込チラシやポスティング業者を利用して、事業案内のチラシ広告をターゲット層に配布する集客方法です。比較的年数が経過している住宅街や高齢者が多く住んでいそうな集合住宅など、新規利用が見込める場所にポイントを絞って配布するのが効果的です。

チラシ広告は誰でも手に取りやすく、インターネットやスマートフォンに不慣れな層にアプローチするのに有効です。その一方、訪問介護を求めていない世帯にもチラシを配布するため効率低下の可能性もあります。また、配布先の住民やアパートの管理会社からクレームが入る可能性もあるため注意しましょう。

ホームページ

インターネット上に自社のホームページを作成し、利用者やその家族、関係者からの信頼を得て集客につなげる手法です。

ホームページは情報量が多く、事業所ならではの強みやコンセプトを豊富に盛り込めるのが魅力です。情報を求める相手にいつでもアプローチをかけられるため、大きな集客効果が期待できます。

とはいえ、ホームページを作っただけでは、ターゲットに情報が届くとは限りません。特に事業所の認知度が低い場合は、見てもらえる機会は少ないでしょう。

ターゲットにホームページを見てもらうには、SEO対策をする必要があります。SEO対策とは、特定のキーワードを検索した際、自社のサイトを検索エンジンに上位表示させるための施策のことを指します。

上位表示するには、検索したキーワードに対し、ターゲットが求めている情報を提供することが重要です。「訪問介護+夜間対応」、「訪問介護+入浴」など、ターゲットが実際に検索しそうなキーワードに対して、役立つコラムを盛り込むことで、ホームページの露出を増やせるでしょう。

ポータルサイト

訪問介護やデイサービスの情報を掲出しているポータルサイトに登録し、情報を掲載して集客する方法です。

介護サービスを求める人は、希望の条件に合う事業所を見つけるために各種サイトを閲覧します。ポータルサイトなら複数の事業所のコンセプトやサービス内容を比較しやすいため、自社の魅力や強みを伝えやすいでしょう。

ポータルサイトには全国規模の大手企業を含むものから、地域密着型の事業所だけをまとめたサイトまでさまざまです。集客には、エリアとジャンルに特化したポータルサイトを利用すると良いでしょう。

ポータルサイトに掲載する情報は、ほかの事業所と比較されます。自社ならではの差別化のポイントを明確にしてまとめることが重要です。

SNS

FacebookやTwitter、LINEなどのSNSを活用する集客方法です。SNSは広く普及しており、事業所の情報を随時発信できるのが魅力のひとつです。親しみやすさから共感を得やすく、新規利用者獲得の可能性が高まります。

スタッフによる訪問日誌のような形式にすれば、ケアマネージャーとサービスの利用者とをつなぐ接点作りにも役立つでしょう。利用者の信頼感が高まれば、新たな利用者を紹介してもらえるかもしれません。

また、SNSを経由して別途用意したLP(ランディングページ)に誘導する集客手法もあります。リスティング広告やディスプレイ広告を運営するノウハウが必要ではあるものの、利用者が知りたい情報を集約したLPは比較的離脱率が低く、問い合わせにつながりやすいといえます。

動画

動画を制作し、公開して集客するのもおすすめです。介護関連のYouTubeのチャンネルがあれば、広く利用者の関心を集められるでしょう。

視覚や聴覚に訴える動画はわかりやすく、視聴者の関心を強く引きつけられるのが特徴です。印象にも残りやすいため、事業所内の様子や介護をするシーン、スタッフの声などを撮影して公開すると効果的です。

多くの人の関心を集めるためにも、内容、デザインともクオリティの高い動画作りが重要になります。

訪問介護の集客におけるポイント

集客には、コストも手間もかかります。本来の業務である介護サービスの質を維持するためにも、効率の良い集客を目指しましょう。

自社の強みを理解する

利用者獲得を目指すときは、最初に自社の強みを掘り起こす必要があります。自社の強みや魅力を理解せずに効果的な集客や営業はできません

事業所のサービス内容を確認し、利用者のニーズに合っているか確認しましょう。ニーズに合う取り組みのなかで競合するほかの事業者にはないものがあれば、それが強みになります。

介護関連の情報やアンケートなども活用して、利用者から必要とされる訪問介護を目指しましょう。

営業の頻度を増やす

利用者を増やしたいと考えていても、アクションを起こさなければ集客できません。集客で成果を上げるためにも、営業の頻度を増やしましょう。

利用を見込めるターゲット層に対して、こまめに接触する機会をもつのが重要です。病院や居宅介護支援事業所には可能な限り訪問し、電話やFAXも活用して営業をかけると良いでしょう。

在宅介護サービスに対する潜在的ニーズを把握するために、地域の民生委員や高齢者サークルと関わりをもつのも重要です。地域の方々に広く知ってもらい、将来的な利用者獲得へとつなげましょう。

まとめ

訪問介護のニーズが高まっているとはいえ、なにもアクションを起こさなければ、利用者は集まりません。利用者獲得に欠かせない介護人材の確保を行いつつ、積極的に営業頻度を増やし、集客を働きかけましょう。

訪問介護の仕事の集客方法には、インターネットを使ったものからオーソドックスなポスティングまでいくつかの手段があります。それぞれのメリットとデメリットを理解したうえで、最適な方法を見つけてみてください。