ケアマネージャーへの営業が重要な理由
多くの場合、デイサービスの利用者はケアマネージャーを介して事業所に訪れます。
そのため、デイサービスの利用者を増やすには、ケアマネージャーに自身の事業所を認知してもらい、信頼を得ることが重要です。
ケアマネージャーに自身の事業所の魅力や介護への思いが伝わり、信頼関係が構築できれば、デイサービスの利用を検討している人に事業所を紹介してもらいやすくなるでしょう。
介護事業者にとってケアマネージャーとの連携は欠かせません。しかし、ケアマネージャーは他の事業所からも営業を受けています。数多くの競合から自身の事業所を選んでもらうためにも、ケアマネージャーとの関わり方を工夫しなくてはなりません。
ケアマネージャーに営業を行う前に準備しておくこと
ケアマネージャーへの営業を成功させるには、事前準備をしっかり行いましょう。ここでは、営業するにあたりどのような準備をすれば良いのか、詳しく解説します。
ターゲットをリスト化する
ケアマネージャーに営業をかける際は、事前にどのようなケアマネージャーがいるのかリスト化しておきましょう。まず事業所の近隣のケアマネージャーをピックアップし、ケアマネージャーの名前や在籍している事業所の情報を整理します。
SWOT分析を行う
ケアマネージャーは多くの介護事業者から営業を受けているため、自身の事業所の魅力がケアマネージャーに伝わらないと印象に残りづらくなります。
効果的な営業ができるように、SWOT分析を用いて自身の事業所の強み・弱み・機会・脅威を洗い出し、コンセプトやアピールポイントを整理しましょう。
事業所のコンセプトやアピールポイントを把握し、強みを明確にすることは、競合との差別化にも役立ちます。
営業ツールを作成する
営業のターゲットや事業所の魅力が明確になったら、パンフレットやチラシなどの営業ツールを作成しましょう。
営業ツールは事業所のサービス内容や魅力をわかりやすく伝え、事業所を理解してもらうのに役立ちます。
主に、以下の営業ツールを作成すると良いでしょう。
・パンフレット
・チラシ
・HPやSNSアカウント
パンフレット
パンフレットはケアマネージャーが事業所のサービス内容を確認したり、利用者に渡したりするのに活用できます。
利用者やその家族が読んでもわかりやすく、印象に残りやすいデザインを心がけましょう。
チラシ
チラシはパンフレットよりも情報量が限られるため、事業所のコンセプトや、アピールしたいサービスを優先して載せるようにしましょう。チラシはパンフレットよりも利用者に渡しやすいメリットもあるため、利用者目線も考えて作成すると効果的です。事業所の建物やスタッフの写真もあると、より情報が伝わりやすくなります。
HPやSNSアカウント
最近はインターネットで情報を集める人が増えているため、HPやSNSアカウントを用意して、事業所の情報を発信するのもおすすめです。
事業所のコンセプトや特徴だけでなく、サービス内容や料金、アクセスマップなど、ケアマネージャーや利用者が「知りたい」と思う情報を詳しく載せておきましょう。
事業所の外観・内観やスタッフの写真なども載せ、明るさや楽しさをアピールするのも効果的です。
ケアマネージャーへの営業方法
事前準備が完了したら、ケアマネージャーへの営業をスタートしましょう。ケアマネージャーへの営業方法として、以下のようなものがあります。
・訪問営業
・内覧会・見学会
・電話・FAX営業
・勉強会
それぞれの営業方法について、詳しく見ていきましょう。
訪問営業
ケアマネージャーへの営業方法として、居宅介護支援事業所や地域包括支援センターへの訪問営業があります。
営業をかけるケアマネージャーへしっかり事業所の魅力や特色を伝えられるよう、事前にアポイントメントを取ってから訪問しましょう。
忙しいなか無理に長時間滞在すると、印象が悪くなる可能性があります。時間が確保できない場合は、挨拶だけ済ませる、パンフレットを配布するなど、短時間で終わらせる営業方法も検討しましょう。
内覧会・見学会
新規で事業所を開業する場合は、開業前に内覧会や見学会を開催するのも良いでしょう。ケアマネージャーが来場しやすいスケジュールを組むことが大切です。平日に1週間開催するなど、ある程度の期間を設けて開催すると良いでしょう。
また、開業後もケアマネージャーや利用者の家族による見学・無料体験を受け入れる態勢を、常に整えておきましょう。
電話・FAX営業
訪問営業の時間が確保できない、1人だけ受け入れられる空きができたなどの場合は、電話やFAXを利用する手もあります。
ただし、電話やFAXによる営業は、ほかの営業方法と比較すると効果が薄いです。新規開業で大勢の利用者を確保したい場合は、別の営業方法を選択したほうが良いでしょう。
勉強会
介護に関する勉強会を開くのも、ケアマネージャーとのつながりを作るのに役立ちます。
外部の専門家を招いて、ケアマネージャーが「行きたい」と思える内容にすると良いでしょう。一度勉強会が成功すれば、継続的な紹介につながりやすいのでおすすめです。
ケアマネージャーへの営業の注意点
ケアマネージャーへの営業は、デイサービスの利用者を増やすための重要な手段です。ケアマネージャーと良い関係を築くためにも、営業をかける際の注意点を把握しておきましょう。
コンサルティング視点で情報提供を行う
ケアマネージャーは、事業所の特徴やケア内容を理解した上で、自身が担当する要介護者一人ひとりにあった事業所を紹介しています。
そのため、ケアマネージャーへ営業する際は、自事業所の特徴をしっかりと説明するのはもちろん、どのような要介護者に対し効果や目的に沿った介護サービスが提供できるのか、コンサルティング営業の視点で伝える必要があります。そして、ケアマネージャーの担当する要介護者のケアプランと事業所のケア内容がフィットするイメージを持ってもらえるよう伝えましょう。
営業タイミングは繁忙期を避ける
ケアマネージャーへの営業は、繁忙期を避けることが重要です。とくに月末・月初は給付管理業務で非常に忙しいため、その時期に営業に行くと迷惑がかかります。
アポイントメントを取る際に、ケアマネージャーの都合を確認し、迷惑にならないタイミングで訪問しましょう。
あらかじめ所要時間を伝えて確実にその時間内で話を終わらせる、忙しそうな場合は時間前でも話を切り上げるなどの配慮も重要です。
有益な情報を提供できるようにしておく
ケアマネージャーに営業をかける際に、利用者を紹介してもらうことをメインに考えていると、利益優先だと捉えられて良い関係が築きにくくなります。
有益な情報を提供する、困りごとを解決するなど、ケアマネージャーや利用者の役に立ちたいという姿勢で接することが大切です。
信頼関係の構築を第一に考える
「営業」といわれると、事業所を売り込むことに意識が行きがちですが、まずはケアマネージャーと信頼関係を構築することを第一に考えましょう。
特に、以下のポイントを押さえて営業活動に取り組むことが大切です。
・相手の話を聞く
・ほかの事業所を貶すような発言をしない
・迅速で誠実な対応を心がける
・身だしなみに気を使う
・馴れ馴れしい態度は控える
上記を積み重ねていけば、少しずつ信頼関係ができてくるでしょう。事業所をアピールするのは、信頼関係が築けてからです。
まとめ
介護事業所が利用者を増やすには、ケアマネージャーへの営業が欠かせません。自身の事業所の強みやアピールポイントを明確にして、ケアマネージャーに営業をかけましょう。
また、事業所のアピールばかりでは利用者を紹介したいと思われないため、まずは信頼関係を構築することから始めましょう。