介護ファクタリングの仕組みとは?利用するメリットや注意点について

介護事業者にとって悩みとなるのが、介護報酬の受け取りまでに時間がかかることです。その間の支出を賄うために「介護報酬を現金化したい」と考えている方もいるのではないでしょうか。 介護報酬を早めに現金化できるサービスに介護ファクタリングがあります。本記事では介護ファクタリングのメリットとデメリット、利用する際の注意点を紹介します。


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介護ファクタリングとは

介護ファクタリングサービスとは、介護分野の売掛債権を現金化できる金融サービスです。

現行の介護保険制度において、介護報酬や訪問看護療養費などの売掛債権は、国民健康保険団体連合会に請求して受け取るまでに約2ヶ月かかります。

しかし、その間に人件費や水道光熱費、設備使用料などの支払いが発生するため、入金がないのに支出がかさむことになるのが実情です。加えて、さまざまな機器設備を使用している介護の現場では、機器の故障への対応が求められることがあり、早急に資金が必要とされることもあるでしょう。

そんなときに介護ファクタリングサービスを利用すると、貸し付けなしで手早く資金調達できます。資金繰りで悩んでいる介護事業者にはぴったりなサービスです。

介護ファクタリングを利用するメリット

介護ファクタリングを利用すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは主な5つのメリットを紹介します。

早めに入金できる可能性がある

先述のように、国民健康保険団体連合会に介護報酬や診療報酬を請求しても、入金されるまでは約2ヶ月かかります。手元に資金がある場合は、入金されるのを待つのは難しくないでしょう。

しかし、新規で事業を立ち上げた場合や、思わぬ出費がかさんで手元の資金が減少した場合などは資金繰りが厳しくなることがあります。

そこで介護ファクタリングサービスを利用すれば、介護報酬や診療報酬の早期入金が可能になり、財務状況の改善が見込めます。入金までのスピードはファクタリング業者によって異なるものの、中には申し込みから数日後に入金されるサービスもあるようです。

債務の扱いにならない

介護ファクタリングサービスは、銀行からの借り入れや貸し付けではないため負債にはなりません。

なぜなら、ファクタリングサービスは介護事業者の売掛債権をファクタリング業者が買い取るためです。介護事業者が将来入手できる資金の権利を売って、前倒しで入金してもらうもので、ファクタリング業者にお金を融資してもらうわけではありません。

銀行の融資枠を使用しないため、ファクタリングサービスの利用に際して信用情報を確認されることもありません。また、介護事業者の信用情報に負債がカウントされることもありません。

介護ファクタリングサービスを利用すると自己資金を温存できます。結果として、将来的に事業を拡大する場合でも、安心して計画を進められるでしょう。

新規事業を立ち上げる際にも利用できる

新規事業を立ち上げたばかりの介護事業者でも利用できる可能性があるのも介護ファクタリングサービスのメリットです。

介護事業を立ち上げる際には、物件取得費用や内装工事費、設備費や広告宣伝費などの初期費用がかかります。加えて人件費や水道光熱費、消耗品費、食材費、賃貸料など毎月の運営資金が必要です。

介護報酬や診療報酬の入金は約2ヶ月後になるため、設立間もない介護事業者は融資に頼らざるを得ないケースがあります。初期費用だけでなく、資金繰りが安定するまでの間を追加融資で乗り切るのは厳しいと感じる方もいるのではないでしょうか。

その点、介護ファクタリングサービスを利用すれば、資金繰りが不安定な時期の助けとなるでしょう。

お金の使い道を自由に設定できる

銀行融資や出資を受ける場合、財務状況を審査されるだけでなく、使い道まで指定される可能性が高いです。

あらかじめ使い道が指定されるため、状況に応じて用途を決めることはできません。例えば、事業所・施設で使用する機器が故障して修理費用として融資を受けたなら、その費用を人件費など別の用途に使うことはできません。

その点、ファクタリングで現金化した資金については使い道を指定されることはありません。人件費や機器の修繕費用、消耗品費など介護事業の運営に必要なあらゆる費用に使えます。

状況に合わせた資金繰りが行えるのも、介護ファクタリングサービスのメリットといえるでしょう。

介護ファクタリングを利用する際の注意点

介護ファクタリングサービスの利用にはデメリットもあります。メリットだけで介護ファクタリングの利用を決めると「こんなはずではなかった」と感じるかもしれません。

ここでは介護ファクタリングの利用におけるデメリットについて解説します。

中には悪質業者が紛れていることがある

ファクタリングを装った悪質な業者がいるため、業者を選ぶ際は注意が必要です。具体的には、ファクタリング会社を装った業者が、実際には貸し付けを行っているケースです。

そうした会社を知らずに利用すると、高額な手数料を支払わされ、かえって経営が悪化してしまいかねません。

契約書に債権譲渡契約(売買契約)の記載がなかったり、手数料が高額すぎたりする場合は悪質業者のおそれがあります。少しでも怪しいと感じたら契約を急ぐのではなく、その業者についてよく調べましょう。場合によっては、金融庁や警察に相談することも大切です。

調達できる資金には限界がある

介護ファクタリングで調達できる資金は、あくまで介護報酬や診療報酬、訪問看護療養費など、売掛債権の範囲内の金額です。それ以上の金額を調達することはできません。

そのうえ、介護ファクタリングサービスを利用することで、請求金額から手数料を支払う必要も生じるため、実際に受け取れる金額は少なくなります。

債権額以上の資金が必要な場合は、銀行や信用金庫などからの融資を検討する必要があるでしょう。

手数料は必ずかかる

介護ファクタリングサービスの利用には手数料がかかります。これは、銀行融資など自己資金以外の方法で資金を調達する際に手数料が発生するのと同様です。

手数料率は債権額の1%前後の支払いが必要になることを把握しておきましょう。

例えば、200万円の資金を調達する場合、介護ファクタリングの手数料率が1%だと手数料は2万円です。200万円から2万円を差し引くと、198万円が手元に残ることになります。

そのため、介護報酬の入金を2ヶ月待てる余裕がある場合や、すでに通常借り入れが問題なく行えている事業者であれば、介護ファクタリングサービスを利用するメリットがほとんどないといえます。その場合、2ヶ月待って介護報酬を満額受け取るほうが良いでしょう。

まとめ

介護ファクタリングサービスは、本来なら約2ヶ月後に入金される介護報酬などの売掛債権を前倒しで受け取れる便利なサービスです。手元の資金が少なく資金繰りが厳しいときに利用すると、財務状況の改善が期待できます。

ただし、手数料がかかるので、メリットとデメリットを比較して利用するか判断しましょう。